歯並びについての質問
- そもそもどうして歯並びが悪くなるんですか?
- 歯並びが悪くなる原因は、歯の大きさに対して、あごの骨が小さい、歯が並ぶアーチが綺麗なUの字になっていないことにあります。赤ちゃんの頃の哺乳での問題や、やわらかい食べ物を食べる機会が多く、しっかり噛む習慣が減ったことで、あごなどが十分に育ちにくくなっています。
イメージとしては、長いすに大勢が無理やり座ろうとしている状態です。長いす(あごの骨)が小さければ、座る人(歯)ははみ出したり、重なったりしてしまいます。これが歯並びの乱れにつながります。
さらに、口呼吸、舌の癖、姿勢の悪さなどの生活習慣も、あごの成長や歯の位置に悪影響を及ぼします。
- お口まわりの筋肉と歯並びって、関係あるんですか?
- はい、お口のまわりの筋肉バランスは、歯並びやあごの成長に大きく関係しています。
お口の内側には「舌」、外側には「唇」や「ほっぺの筋肉」があり、これらが内側から外側へ、外側から内側へと力をかけ合いながら、あごの骨や歯の位置を調整しています。
このバランスが整っていると、あごも歯並びもきれいに発育していきます。しかし、たとえば舌の力が強くて唇の力が弱いと、前歯が外に押し出されて出っ歯のような歯並びになることもあります。
- 口呼吸をしていると、どうして歯並びが悪くなるの?
- 口呼吸の習慣があると、舌の位置が下がり、本来舌が押し広げてくれるはずの上あごの成長が妨げられます。
その結果、歯が並ぶスペースが不足し、前歯が出たり、かみ合わせが悪くなったりします。
コラムお子さんの「口呼吸」に要注意!
口呼吸が身体に与える影響は、歯並びだけではありません。次のような影響も指摘されています。
- お顔と身体の歪み
- 学力、運動能力の低下
- ドライノーズ
- ドライマウス
- いびき・歯ぎしり
本来、人間は鼻で呼吸をするようにできています。鼻は、吸い込む空気を加湿・加温・除菌する大切な器官。ところが口で呼吸をするようになると、これらのフィルター機能が働かなくなり、感染症やアレルギーにもかかりやすくなります。
口呼吸の原因は、単なるクセや習慣ではなく、「気道が狭くて鼻でうまく呼吸ができない」という身体的な要因によることも少なくありません。
例えば、
• アデノイド(咽頭扁桃)や口蓋扁桃の腫れ
• アレルギーによる慢性的な鼻づまり
こうした原因があると、鼻の通りが悪くなり、無意識のうちに口で呼吸するようになります。
当院では、必要に応じてセファロレントゲン検査やアレルギー検査を行い、呼吸の通り道(気道)の状態を詳しく調べたうえで、矯正治療を進めています。
私たちの目指す小児矯正は、「歯並びを整える」だけではありません。
鼻でしっかり呼吸できるようにサポートすることで、身体全体の健やかな成長を後押しします。
治療前についての質問
- 矯正治療は何歳ころに始めるのがよいですか?
- おすすめのタイミングは、5〜9歳ごろの小学校低学年です。
この時期は、あごの骨がまだやわらかく、自然な成長の力を利用しやすいためです。
●上あごの成長が終了する時期:およそ12歳頃
●下あごの成長が加速する時期:13歳以降
この「上あごの成長が残っている」時期に矯正治療を始めることで、あごの骨格のバランスや歯がきちんと並ぶスペースを、無理なく整えることができます。 - 抜歯をしないで矯正治療はできますか?
- 当院では、できるかぎり歯を抜かずに治療する方針をとっています。実際に当院のネオキャップ・ビムラー矯正では、ほとんどのケースで非抜歯治療を実現できています。
- 治療期間はどれくらいかかりますか?
- お子さんの成長スピードにもよりますが、およそ3〜4年程度を目安としてお考えください。
ゆっくりと成長に合わせて整えるため、精神的・身体的負担が少なく、治療後の後戻りも起きにくいのが特長です。
- 子どもの歯並びの乱れを放置するとどうなりますか?
- 歯並びの問題は、見た目だけでなく、かみ合わせ・姿勢・発音・集中力・運動能力など、心と身体の発育全体に影響を及ぼします。
さらに、歯みがきがしにくくなることで、虫歯や歯周病のリスクも高まるとされています。
これらを放置すると、大人になってから本格的な矯正治療が必要になるケースもあり、治療にかかる期間や費用の負担が大きくなる可能性があります。
治療中についての質問
- 矯正治療中、虫歯になりやすいと聞いたのですが?
- 一般的なワイヤー矯正装置を着けていると、歯みがきがしにくく歯垢が残りやすくなり、虫歯になりやすくなるというデメリットがありました。
ネオキャップ・ビムラー矯正装置は取り外し可能なため、歯みがきがしやすく、虫歯のリスクが大幅に抑えられます。
お子さん自身でも清潔に保ちやすいのが特徴です。
- 矯正治療中、痛くて食べにくくなると聞いたのですが?
- この装置は、強い力で急激に歯を動かすことがないため、痛みを感じることはほとんどありません。
また、食事のときにはビムラー装置を付ける必要はないので、普段通りの食生活を送ることができます。 - 装置は1日中つけておく必要がありますか?
- 装置の種類によって装着時間が異なります。
●ネオキャップ装置:基本的に24時間装着
●ビムラー装置:主に就寝時に装着(夜だけ)
それぞれのお子さんの状態に応じて、最適な装着時間を指導いたします。
治療後についての質問
- 矯正治療が終われば、また歯並びが悪くなることはないのですか?
- どんな矯正治療でも、後戻りの可能性はゼロではありません。
ただし、ネオキャップ・ビムラー矯正は骨格の成長と習慣改善を同時に行うため、後戻りしにくい治療法とされています。
また、治療後も定期的なチェックを行い、安定した歯並びを維持できるようサポートいたします。